Tuesday, August 07, 2007

8月の暑い日

62年前の8月6日、そして9日。

広島・長崎に原爆が落とされた日だ。

長崎は父方の実家に縁がある土地なのだが、まだ俺は行ったことが無い。
広島は、以前仕事で2・3度ほど訪れた機会があったが、今年の5月に演奏にて久しぶりに行くことが出来た。
そこで、念願の原爆ドーム・原爆資料館に行って来た。

「過ちは二度とおこしません」とした、誓いの言葉が刻まれた碑を前に、ただ呆然と立ち竦んでしまった。
今年も、原爆被災者の亡くなられた多くの人達の名簿が、収められたと聴く。
沖縄の戦没者の名前が記された、圧倒的な碑の光景と思いが重なった。

虚脱感とでもいうのか?しかし、いくら想像力を働かせても、その惨たらしい現実の瞬間には、及ぶはずも無い。
数十万人単位の人間がバタバタと死んでいく光景など、想像出来ない。
しかし、それは現実だったのだ。

「WHITE LIGHT BLACK RAIN」という、アメリカの日系3世の映画監督の広島・長崎の原爆被爆者の方のインタビューで構成されたドキュメンタリーが、封切られるという。
その映画の冒頭のシーンは、今の渋谷での若者達のインタビューから始まる。
「62年前の8月6日・9日は、何が起こったか知っているか?」の問いに、殆どの若者は「知らない」と答えたという。
そういう俺自身も期日は、はっきりとは記憶に無かった。

今年も原爆被災者記念式典が、広島で行われた。
ニュースにて広島市長・県知事の言葉の後の総理大臣の言葉は、あまりにも空々しく映った。
「憲法の・・」。
その憲法を変えようとしている筆頭の人物の言葉が、広島の被災者の方々・そして唯一の原爆被災国の俺達の耳には余りにも、うそ臭く聞こえた。

あるネットでの、戦争の定義として、誰かがホザイテイタ件。
「戦争は、一つの外交手段であり、国際法上の一定のルールの下に行われる」という。
一定のルール?
虐殺と戦争は違う?
戦争は虐殺そのもので、ルールは何でもアリの「皆殺し」だろ!
何処かの誰かにとってはタカダカのゲームだろうが、戦場においては、公然と平然と人殺しを行う「現場」だということだろう?
スポーツじゃあねえんだ!大バカ野郎!
てめえが鉄砲かついで?否、マルゴシで突っ込んでいきやがれ!と激怒しても虚し過ぎる。
そこまで無頓着な人間が出来上がってしまったのだ。それに戦慄してしまう。

だが、止めさせなければならない。
負の連鎖・恐怖と憎しみの連鎖を食い止めなければ、未来は無い。

人間は愚かな生き物だ。
自分ですら、目の前の諸問題を解決出来ずにいる「大馬鹿野郎」だ。
だが、生きてなんぼなんだ。
生き続けて、そして何に到達したいのか?
何を次に渡し、何を託したいのか?
己とは、何なのか?
おそらく人間が誕生以来、ずぅっと問われ続けていることなんだろう。
自分が生まれてこの方、そして生きていく限り、ずぅっと問われ続けることなんだろう。

欲望とテクノロジーが醜く肥大し続けた結果、今の人類と地球がある。
地球は、我々人類の「もの」ではない。
そこで生きさせてもらっているだけだ。
原住民の多くの人達は、地球との関係を唯一保って生きてきた、数少ない「先端・先進の民族」であったのだろう。
かつてロックバンド・ディーボは、「我々は退化し続けている」と言い放った。
そのとおりだ。
豊かな気持ちを享受している人々はいるのか?
殺伐と他人を食い物にし続ける人間が増えただけじゃあないのか?
テクノロジーは、ただ欲望を具現化する道具として扱われし続けたに過ぎない。
多くの先端技術は、兵器開発の副産物だった。
何処でそれをシフト出来るのか?
今、正に問われている。

「ゆっくりと爆発し続ける原爆」の放射能拡散し続ける原発。
細菌化する劣化ウラン弾の拡散し続ける微粒ウラン。
CO2に代表される地球温暖化。
食料・エネルギー・金融を支配し一極化を企む、ある一団。
それと反目しながら手を繋ぎあう世界情勢。
国境などというものは、唯の枠組みでしかなく、民族問題・イデオロギー・食料・経済・金融・東西南北問題等、巧みに操り支配=如何に奴隷を飼いならしていくか?の体系が、気付いたら出来上がっている。
ネットなんてそのものだ。
これは地球単位の視点が必要不可欠。

どうやって生きるのか?
それとリンクする。

2 comments:

nami said...

泰三さん、いつも私の心の中にある事をすべて書いて下さってありがとうございます!!
私も泰三さんと全く同じ気持ちでいます。

まだ広島・長崎には行った事が無く、死ぬまでに絶対行かなければならない場所だと思っています。世界中にそんな場所は限りなくあります。

私も最近その映画の事を知り、来週KIKIさんと観に行く予定でいます。

一部の心のない人間のために、世界中の多くの人々が苦しく辛い気持ちでいるなんて絶対に間違っています。

戦争や貧困のない、美味しい空気と緑がいっぱいの平和と愛で満ち溢れた地球を、子供たちに残してあげなければいけないと思っています。

管理人 said...

ありがとうございます。
俺の稚拙な文章で、読む人は判読するのに大変だと思います。
「何を残せるか?何を伝えたいか?」と考えています。出来る事は、自分の目の前のこと・・でしかないかもしれません。でもそう思うことが、始めの一歩だとも思います。
道は、長いですね。でもそれも一歩からですね。