ギタリストの大出元信さんが、亡くなってしまった。
ネイティブ・サンの名ギタリストであった。
俺にとっては、古澤さんのバンド「良治郎バンド」の広木さんと大出さんという、双璧のギタリストでもあり、古澤門下生の先輩にあたる人であった。
彼・大出さんは、なによりリズムギタリストであった。
活きたリズムをギターから放出させていた、非常に稀な存在だった。
あの独特なフォーム・・・右にちょっと身体をかしいでヒザを少し曲げながらテンポを取って弾くその姿が目に焼きついている。
絶頂期の良治郎バンドは、故川端民夫さんの重心のメチャクチャ低いベースと大出さんのバウンズするリズムギター、それから古澤御大の説明不必要のドラムで、なんとも懐の深いビートを作り出していた。
俺も何回か一緒に演奏させてもらったことがある。
そのときには、その懐の深く・広いビートにとても驚かされた記憶がある。
大出さんとは、もう十数年程前だったか、一緒に演奏したときに、もっとやりましょうよー!大出さーん!っと言ったら、「いやあ!泰三とはさ、一年に一回くらい会いたいって感じなー?あっはっは!」なんて、彼言っていたっけ。
そう、実は一週間程前くらいに、何となく大出さんのことをふと思い出していた。
何の理由も無く、ただ漠然と彼の事を思い出していたのだ。
一緒に演奏した風景の記憶と共に。
「どうしているかなあ?」と。
そして、訃報が届いた。
告別式に行って来た。
彼の、大出さんの表情は、安らかだった。
「よっ!久しぶり!まー、そんな訳でさ・・じゃあな!」なんて・・言い出すんじゃあないかってほどに。
お別れは、寂しくも悲しい。
涙が、溢れた。
さようなら。大出さん。
ご冥福をお祈りします。
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