ギターを教えている一人の生徒が、先日、俺のレッスンを卒業した。
嬉しくもあり、また少し、寂しくもあり。
とにかく、俺のレッスンからの始めての卒業でもある。
彼には、今後ギタリストとして、充分に通用出来るものを伝授した訳ではない。
レッスンそのものも、ソレを養成する為のものでもない。
何を伝えたのかとあえて言うならば、俺がかつてのソロデビューに繋がるきっかけとなった「自分自身のノリを如何に掴むか?」ということなのかもしれない。
それは、何処から来るものかは、解らない。
だが、確実に自分自身に起きること。
それをハッキリと自覚出来るか?否か?
自分のモノと出来るかどうか?
そして後は、これからの起こるであろう経験等で、それをブラッシュアップ出来るか?だろうか。
俺はある意味、凄く幸運だった。
強力な先達の洗礼を受け、また彼等は、何処の馬の骨か解らないこの俺を使い続けてくれて、経験させてくれたからだ。
それは、とても大きなプレゼントであった。
決して楽なものではなかった。
20代は、悪戦苦闘であり、暗中模索の日々。
だが、それを通過してこその、自分のノリの発見でもあった。
勿論、それが出来たからといって安泰な訳では無い。
でも、ソレこそが基盤であり、ソレが無ければ以降の日々の苦闘には、耐えることが出来なかった。
今もその渦中にある。
ミュージシャンになれるかどうか?
なり続けるとは、如何なることか?
それを知る・もしくは経験する基盤であると思っている。
その基盤になれるモノの兆候を彼に見た。
彼には、故古沢良治郎さんが、俺との最後になってしまったセッションで言った言葉を贈りたい。
「面白いことをやろう!」
健闘を祈る。
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