Monday, June 30, 2008

魅惑のポイント

っていうのかな?
というのは、自分が、音楽というものの一体何処らへんに「引っかかって」ドンドンとハマッテいったのだろうか?とボンヤリと思いを巡らせた。

まあギター弾きであるからして、そのへんなんだけれど。

で、衝撃の原体験は、以前にも書いたような気がする。
これから書くことも、まあ書いた事があるやもしれん。
ま、前置きはいいや。

で、「音色」。
ネイロと言ったほうが、何となくしっくりくる。
そのネイロ・・ギターの音色にはまったのは、デュアン・オールマンのギターだった。
英語の発音に近い言い方だと、デュエイン・オールマンなのかもしれないが、デュアンにさせていただく。
この人のレスポールスタンダード&マーシャルの音色は、不思議だ。
一般的には、ロックスライドギターの元祖みたいに言われている。
二十歳までの自分は、デュアンになりたかった。
でも、二十歳のとある日に「なれる訳無い!」と思った。ま、それはいいとして。

デュアンの音色は、レスポール弾きの他のギタリストの誰とも違った。
まあ、その時代の代表的なギタリスト達は、それぞれ個性的な音色を持っていたのだが、デュアンの音色には、本当にノックアウトされた。
あるときは叫び、そして唸ったり、その粘りながらもシャープな独特なフレージングというか、隅から隅までコピーしたくなった。
アコースティックはコピー出来なかったけれど、エレキのほうは大体コピーしたつもりだった。
つもりというのも、最近改めて聴いてみると「全然違う」ので、ビックラこいたんだけれども。
よくあることで、音色を同じにしたい=同じ機材にする・・てのがあるが、ある程度当たっているのだが、これ全く的外れということでもある。
二十歳で新品のギブソン・レスポールスタンダードを月賦で買うが、デュアンの1959年製のそれとスリーピース・デカイヘッドの自分のレスポールには、雲泥の差があるっちゃあそうだ。
二十歳の当時には、マーシャルまで買える余裕なんて全く無かったし、そういう機材だぁスペックだぁという問題じゃあないことは、解っていた。
だって、マッスルショールズでのセッションマン時代のデュアンは、ストラトでも「同じ」音だったもんなあ。
ストラトキャスターとレスポールでは、ギター本来の音色・キャラクターは違うが、肝心なところは、デュアンが弾くとこうなる!ということだった。
「ビロードのように滑らかで、なおかつ鋼鉄のような音の強さ」と評される彼のトーンに夢中だった。
コピーをしていて驚いたのが、フレーズの隅々まで貫いている「スピード感」というか、細かいヴィブラートやニュアンスに驚愕しっぱなしだった。
特にスライドでは、何かのニュアンスに近いなあ・・と思ったのが、ブルーズハープ・ハーモニカっていうのかな?
ああ!そうなんだ!っと自分で勝手に思っていた。
デュアンのスライドは(勝手に決めつけるけれど)エルモア・ジェイムス直系であろう。
エルモアのスライドをヒントにしたことは、間違いは無いとは思う。
勿論その要素だけでは無いだろうけれど、いろんな要素がデュアンの中で交じり合い、そうして出来たスタイルだと思う。
その中で興味深いのは、ジェフ・ベックの影響だ。
トリッキーと評されるジェフではある。
というのは、彼の持つスピード感が、そう思わせる。
おそらくデュアンもそこんところに影響されたのではないか?。
そして、ジェフのスライドもブルーズハープからの影響が聴き取れる。
デュアンが、ジェフ・ベックに夢中だったというグレッグだったかの証言もあった。
スピード感・・ジェフとデュアンに共通するスピード感とは、音本来の持つスピードもあるが、フレーズの切り替えしというか?鞭のようにしなやかに・またシャープに切り返すような感じがあると思う。
またデュアンは、自身が育った土地柄というのか?そんな大らかさを持っていた。
また驚かされたのが、オールマンズの「イート・ア・ピーチ」の「マウンテンジャム」でのディッキーのソロ時のデュアンの16ビートカッティングのスピード感・グルーヴ感だった。
これもまた、鞭のようにしなやかであり、シャープに切り返すような感じのものだ。
ディッキーの「大ノリ」のソロに対してのあの重厚なリズムセクションのコール&レスポンス。音を埋め尽くさない、絶妙なポイントでのバウンジーなカッティングは、明らかにバンドを仕切るリズムを放出していた。
オールマンズのスタジオ盤のファーストやらセカンドなどを改めて聴き込むと、そこかしこにデュアンのギターがあった。
弾く一音一音が、意味の有るというのだろうか?音楽に深さを与えていく・・そういう演奏をしていたのが驚異だった。
マッスルショールズで、ウィルソン・ピケットなどに気に入られる訳だ。

言ってみれば、俺はそこから所謂「リズムギター」というものに注目し始めた。
レスポールを持つ前の高校生の頃だ。

話は前後するが、ジミヘン等は耳に入っていたが、チュウガキの頃からブルーズというものに興味を持ち始めて、それ以来しばらく、「シャッフル」というリズムのヘヴィーさに取り付かれていた。
特に、エルモア・ジェイムスのバンドサウンドのグルーヴには、驚かされた。
粘る・跳ねる・揺らす・・まるで魂を鷲掴みされたような感覚を覚えた。
でも、自分でやってみると全然そうはいかない・・・

謎だった。

チャックベリーの秘密に気がついたのは、この頃だったに思う。
4ビートをバックに楕円の8ビートのアイデア・・!
気が付いたときには、本当にビックリして敬服した。
だから8ビートでもスウィングするんだ!
スウィンギーな8ビートはキモチイイ。だけど再現するには、相当難しい!!
アメリカの南部のバンド連中は、染み付いている感があるね。
でも、ストーンズやらイギリスのバンドも大したもんだ!本当に凄い!
意外な?ところで、マークボランもスゴクイカシタバウンジーな8ビートを知っている。
ゲットイットオンのギターリフなんて、シンプルだけど難しいぜ!そしてカッコイイ!
あの雰囲気が出せるか???

デュアンのギター・エルモアジェイムスバンドの得体の知れない狂おしい乗り・ジミヘンドリックスの聴く物全てを飲み込んでいく魔力・スティーヴクロッパーのリズムカッティングとMGズのノリ・アルジャクソンのタイミング・ボブマーリーの驚異的な一発のカッティングっていうか存在・ウェイラーズのトンデモナイグルーヴ・フェラクティのネイティヴ且つ大胆なリズム・アフリカのパーカッショングループの驚異的なノリ・アジアのノリ・世界中あらゆるところにある魅惑的なノリ・・・雰囲気!・・音楽!!!
世界中に、そこにヒトが活き、旨いものを考えて喰って活き、そして生まれる魅惑的な音楽!!



きりが無い!

直線的な縦割りのスクエアなテクノもいいものはいっぱいアルけれど、俺が持っていかれるのは、大概「バウンジーな跳ねもん」っていうんですか?

粘って跳ねて楕円で回転している感じ・・なんだよなあ。

ちょっとこれを、やっぱり突き詰めたいっと思っているのだね。

俺ね。

Tuesday, June 17, 2008

彼の言葉

最近、ギターマガジンに掲載されていたギタリストの「ワーワーワトソン」のインタビューを読んだ。
インタビューワーの某氏の意向と関係なく、独白のような感じだったという。
その文章を読むに、確かにそんな感じだ。
というより、哲学者の話・もしくは歴史の語りべの話を聞いているような感じといおうか。
彼「ワーワーワトソン」氏の生きていた言葉であった感がある。

その言葉の中で、最も印象深かったセリフがある。
勿論その言葉は、彼の語った言葉の意訳でもあるし、インタビューを直接聞いてリアルに感じたものでは無いし、そういう意味で正確なものでもないだろう。
しかし俺は、その言葉に、書店で立ち読みしていたニモカカワラズ、「イエイ!」と反応してしまった。

曰く「俺は、苦しみを乗り越えてきた。グルーヴにハマッテいるからな。」

インタビューの語りの流れがあるので、ここだけをピックアップしても、ピンとはこないであろう。
でも、俺はとても感銘を受けた。
何回も読み直して、感動しまくってしまった。

彼は、自身でも言っているように、リズムギタリストだ。
ここで俺が、多くの言葉を飾り立てようとしても何の意味も持たない、偉大なギタリストだ。

リズム・・・

一般的には、音楽の三要素というのだろうか?
メロディ・和音・リズムといった認識をされているのだろうか?
思うに、この三要素というものの中で優位性があるのは、一般的にはメロディと思われているように感じる。
そして、メロディを補佐するものとして、和音でありリズムであるとの認識のように感じる。
そうなんだろうか?
それに対しては、違和感を持っている。
音楽とは、何か?という、普遍的な大きな命題に俺のような稚拙な者が、解ったような事は言いたく無い。
だがあえて言うならば、思うにリズムとはベーシックなものと捉えられているから、その重要性が目立たないのだろう。
ベーシックであるし、そして「いい感じ」を出現させることの出来る、大きな力でもある。
むしろ、リズムというものが、音楽を音楽とする大きな力の一つだと思っている。

メロディ・和音が変化していくには、流れが必要なのだ。
音が生きていくには、時間軸の経過・変化が必要なのだ。
時間軸の経過・変化そして流れが無ければ、音は成立しないのではなかろうか?
つまりは、リズムに支配されている・・と思う。
例えば、あるメロディを歌うとしよう。
音程を変化させるには、リズムが無ければ出来ないでしょう?
変化させなくても、同じ音程で出し続けても、音の長さ・つまりは「リズム」が無いと出来ない。
同じように、和音にしても同様なこと。
一般的には、リズムが感じられないとする「雅楽」にしても、一拍という「解りやすい決まったテンポ」というものではないが、音の長さ・つまりリズムがある。
だから当たっているかどうかは知らないが、あえて支配という言葉を使った。
でも、コンピューターでさっさと打ち込んでリズムを作ることも出来る。
では、それが「いい感じ」を持っている音楽となるか?
そうはいかない・・っというのが、音楽の厳しいハードルだ。
どれもこれも切り離して考えるものではないが、パーツ(なんて考えるのはアホだけれど)で捉えるならば、音色をどうやってリズムにするか?というのか。

というところで、行き詰まってしまった。
「何か」をブチ込まないとダメなんだよな。

こんなことを解ったように言いたくないんだが、どうしても避けて通れない。
何が言いたいのかというと、リズムに対する認識の不足感というのか?
つまりは、例えばリズムセクションに対しての思われ方が不足に感じている。

でも、ワトソン氏曰く、「それでいいんだ。」と。

「いい!」と思ってくれれば、それが全てだと、その為に俺はプレイすると氏は言う。

その献身というのか?

その思いの片鱗を彼の言葉に垣間見た気がした。

先日、惜しくも亡くなってしまったボ・ディドリー氏の映像を見た。
彼のギターのリズムは、とてつもない。
ギター云々という次元ではない。
ワーワーワトソン氏のリズムギターにも、「それ」を感じてしまう。

向かう処。

俺の行きたいトコロは、「そこ」なんだ。

Thursday, June 05, 2008

締め付け

最近、原油高とかで、ガソリン等の値段が上がっている。
かつて20年程前にも、レギュラーガソリン・リッター180円というのが、一瞬あったように思うが、今現在のこの状態は、たまったものではない。

というのも、ニューヨークとかの取引では、連日最高値を更新・・とか、あほんだらな状態だからだ。つまりはもっと上がるってことか。

サブプライムやらから始まった金融不安をネタに、原油の生産調整で価格高騰させ、更にはガソリンの代わりとしてバイオ燃料・・つまりトウモロコシ等から燃料を作ろうとしている為に、世界中の穀物の値段が上がるという。

これは、利益が最終的に「何処に流れるか?」ってのが、ミソだよな。

金融・石油そしてエネルギー・食料の「元締め」は、誰か?っていうことでもある。

そしてこのクニの税金とやら・・・

これだけデタラメな、言うならば税金というお財布を好き勝手に使いたい放題使わせている「俺達」というのは、大問題だよ。

お隣の韓国では、アメリカからの輸入牛肉に危険部分が少しでも混入されたとたんに、輸入禁止措置はとるし、それを政府がやらなければ、大規模なデモになる。

でも、このニホンっていうクニは、何にも関心が皆無で牛肉を食いまくっている。
メディアなんて、すぐ黙っちまうし、ましてやハッキリと言わないし。

政府は、アメリカを怒らせない・・というより、ハッキリというならば「植民地」という態度だ。

では、アメリカっていうのは、よくは知らないが貧富の格差が、もうどうにもならないらしい。
というより、そうさせている。
このクニも、コイズミがそれを自国民に押し付け、仕上げた。
今更(でもまだいいが)それを週刊誌が「騙された」なんて・・
遅いよ!!まあ、言えなかったんだろうねぇ・・


サブプライム問題の根幹は、そのあまりお金の無い層を狙い撃ちした感がある。
そうなりゃ「こうなる」だろう。
所謂「金融専門家」や「経済学者」に聞けば、「当たり前だ」となるはずだ。

かつて90年代にも、このクニで、同じような不動産バブルがあった。
クダラナイ「中流」とかいう幻想に踊らされて、金も無いのに多大な借金をして住宅を買い(5年間は少ないローンでそれ以降に払う金額が倍増するシステム)そしてバブルがはじけて、5年後に倍増したローンを返済不能になった人達の自己破産が、やたらとあったのだ。

これって、サブプライムと確か同じようなシステムだったと思う。

モトイ。


税金の使われ方。

デタラメなのだ。

それで、後期高齢者等の健康保険問題やら年金の財源なんて何も無い問題やら、各省庁・各自治体等の税金の無駄使い・・・

それで、タバコを1000円にしろだとー!
何で税金を更に上乗せするんだね?
タバコを作って売ってるのは、どこのどいつだ?
半官半民の組織だろ!
健康に著しく悪いというならば、生産・販売中止とするのが、まだ道理ってもんじゃあないのか?
何で1000円っていう、発想なのか?
イギリスだかの真似か?

消費税を上げるだと!

それならば、役人の徹底整理と政党補助金などの前面撤廃、政党への献金全面禁止し、献金は国庫に全額入金・政治家の給料前面撤廃・各省庁・天下り先に第三者監査機関の投入にて無駄使いの全容洗い出し・違反者の懲戒解雇・・・つまり「膿」を出し切った後に考えてやる。
それよりも一般会計ではなく、特別会計に、先ずはメスを入れる。

何思っているのか全然解らない、このクニの人達は、もう我慢は止めないといけない。
「他人事なんて、関係ねえよ!」としたメンタリティに「されちまった」のも、しょうがないっちゃあしょうがない。
でも、このままでは、済まないよ。

関係の無いはずの「自分達」にも、確実に締め付けの手綱がクビに回っているんだ。
原発がある地方の人達みたいに、仕事が無い足元を見られ、いやらしくも金で生活に脅し・締め付けをかけられているんだ。

このクニが平和だって?

地震災害の危険度じゃあ、東京圏は、世界最悪・ダントツ1位なんだよって。

オリンピックをやろうなんて税金の無駄使い甚だしいし地震で危ないし。

だから・・こういうトコロに生きているんだよ。
俺達はさ。

Tuesday, June 03, 2008

ボ・ディドリー

ネットのニュースで、彼が亡くなってしまったことを知った。

今年の自分の誕生日セッションのときに、ドラマーの嶋田吉隆氏からのプレゼントが、ボ・ディドリーさんの直筆サイン入りの写真だった。

最近、何かとその写真が気になっていたのだが。

嶋田氏は、4年程前に日本に帰国する前にボ・ディドリーバンドのレギュラードラマーだった。
去年の暮れに、彼を見舞いに行った時は、嶋田氏を見るなり喜んで、元気そうだったらしい。
その時にサインを貰ったという。

今では、遺影となってしまったその写真。

その表情は、柔らかくも威厳がある、いい顔だ。

嶋田氏にかつて聞いてみた。

T「ボおじちゃんはさ、どんな感じなんだい?」
S「そーだなー・・アフリカ人・・かな?」

きっと、あの四角いボ・ディドリースペシャルギターを弾き始めれば、何処までもグルーヴが続く・・そんな姿が目に浮かんだ。

ああ・・そうなんだよなあ。
そんな生涯だったのだろうか。

ご冥福をお祈りします。