Monday, September 17, 2007

音楽は・・・

やれ音楽とは?なんて、小難しいことを言うつもりなんて更々無いのだ。

先日、あるコンサートに行って来た。
ワタクシめのミュージシャン仲間である、ドラマーの芳垣安洋氏の出演する東京ジャズ云々というコンサート。
人の演奏を観る・聴くというのは、為になるっつーか、考えさせられる?というか「思うこと」が出来るので、良いですなー。
音楽そのものも楽しいのですが、自分も演奏する人間の端くれでもある訳で、そういう意味においても興味深いものがあった。

ドラマーの芳垣氏は、一見その学者然とした風貌もさることながら、黙っていると迫力というか、男前というか(女性ファン多し)、そういう雰囲気をお持ちのお方。
演奏においては、当然のこと多くのミュージシャンから絶大な信頼を寄せられている独特の世界観を提示出来るツワモノである。
でも、こう言っちゃあなんだけれども、演奏後に少しお酒が入って、デラデラ笑っちゃっている彼の顔が、俺は何とも好きなんである。
機会があったら、一緒にデラデラ飲みたいミュージシャン仲間リスト?に勿論入っているお人でもある。
そんな彼のやっていることは以前から興味があって、またナンカやりだしたと聞いて、こりゃ必見だなあーと思っていた。
彼のそのプロジェクトは、パーカッション主体のリズムオリエンテッド・・っていうのかな?
そんな型にハマッタ言い方なんて意味無いなー。
リズム・グルーヴのエクスタシーをトコトンやりたい!という風に感じられた。
随所に彼らしいセンスの良さが光って聴こえてくる。
シェイカーとスティックを持ってのドラミングは、これは!と唸らされた!
右手がつりそうだったけどねー。
曲の構成に変化をつけながら、ほとんどリズムというものだけれども、全然飽きないどころか持っていかれた。
そして、最後の曲で感動したのは、そのウネリまくりのサウンドの中から、彼の「デラデラとした笑顔」が出現したことだ。
いや彼が単純に笑っていたということではなく、前記のように「サウンドから笑顔が飛び出してきた」と思ったのだ。
うははは!と、俺も笑った!
紛れも無い彼そのものの笑顔のグルーヴ・サウンドだったから、俺も嬉しくなってしまった。

余談ではあるが以前、彼が出演したコンサートにアフリカのバンドが出演したことがあって、それでアンコールにそのアフリカの彼等とのセッションするシーンがあった。
でも、そのセッションは、芳垣氏がとても繊細に彼等にリスペクトしながら演奏し始めたのだが、スグサマ余計な連中の乱入により(これもしかたがなかったと言えばそうなのだが)グシャグシャになって、ビートの会話をしようにも出来なかったことがあった。
俺は、芳垣氏のその一期一会のリスペクト溢れる叩き方にえらく感動して、後日そのことを芳垣氏に伝えたら、言葉少なげに「そうなんだよねー」なんて言っていたっけ。


音楽を人前で演奏するには、楽器を習得するとか知識とか経験とか・・いろんなものが必要だ。
そして、ある音楽のフォーマットというか、そういう「形」のようなものをまず出来ないと成立?しなかったりする。
でも肝心要のことは、そこから先。
それによって、何が出てくるか?
つまりは、何を「表現するか」みたいなことが、問われるのだ。

それが無いとツマラナイ唯の音の羅列でしかなくなる。
俺がツマラナイと思うものには、例えば、音で理屈をこねくり回しているような演奏。
一見、指が目にも止まらぬ速さとか、楽器習得的に「上手い」とか(あーも出来るしこーも出来る俺だぜ的)、音がただキレイ(なだけ)とかド派手(なだけ)とか「みんながんばろう」的歌詞やら「アイシテル・・」的恥ずかしい歌詞やらで、結構普通の人は騙される事が多い気がする。

まー、歌詞の事だと自分のボケツ堀マクリだから、いいっこ無しですな。ま、置いといてッと。

CDやらスタジオでの録音物は、とにかくPCでコテコテに修正出来て、黒いものを白いものにすることだって可能っちゃあ可能なのだ。
しかし、ライヴはそうはいかない。
ま、スタジアム級の結局大画面を見てるしかない状態のものは何とも言えないが。

ライヴは、ウソはつけない。
日頃何を思うのか?
何を感じているのか?
まー、そして何を思わせてくれるのか?
技術や手練手管を駆使しながら、そこへ到達するには並大抵のことではない。
「いい感じ」とか「イエイ!」とか思わせることは、とんでもなく難しいことなのだよね。

でも、「それ」を激しく求められるのが、「ライヴ」なのだ。
それこそが、「ライヴ」なのだ。
そして芳垣氏は、確実に「ライヴ」していた。

俺もがんばろっと!

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